v2.3.0 リリースノート: Cron で毎日自動デプロイ

この記事は Next.js 版の内容です。現在は Astro で構築し直したため、情報が古い可能性があります。 当時のリポジトリは こちらあるので参考にしてください。

このサイトは基本的に SSG で静的にページを生成している。 そのおかげで、ブラウザに直接 HTML を届けられるため、高速なパフォーマンスを得られる。 しかし、その代償としてランダムに表示させたい項目があったとしても、再ビルドしない限り氷漬けのままになってしまう。

このサイトでビルドするたびに結果が変わる項目は以下のとおり。

  • タグクラウド
  • 検索モーダルを開いたときの初期表示
  • 記事下部にある関連記事

今は頻繁に更新しているので問題ないが、忙しさに飲み込まれた日々が続けば、サイトが時間の狭間に取り残される可能性も十分にある。 そんなケースを見越して、毎日午前 3 時に自動で再デプロイする機能を追加した。 みんなが寝静まっているころにひっそりとサイトを更新させる。

実装方

  1. Vercel の Deploy Hook を作成する
  2. Vercel の Cron Jobs を使う
  3. デプロイを実行する API を作成する

やることはシンプル、この 3 ステップだけ。

Vercel の Deploy Hook を作成する

まずは Vercel の管理画面から Deploy Hook を作成する。

この Deploy Hook の URL に POST リクエストを送るだけで、自動でデプロイが走る仕組みである。 ヘッドレス CMS を使っている場合、コンテンツの変更と同時にデプロイをトリガーする用途でも活用できる。

ただし、この URL が流出すると、誰でも勝手に再デプロイできるようになってしまうので注意が必要。

デフォルトだとビルドキャッシュが有効になっているため、Cron によるデプロイを実行してもアプリケーションの更新がされない。 eploy Hook URL の末尾に ?buildCache=false付与することで、ビルドキャッシュを無効化できる。

Vercel の Cron Jobs を設定する

次に、Vercel の Cron Jobs を設定して、自動的にデプロイを実行する。

vercel.json以下のような設定を追加すれば、指定した時間に実行される。

vercel.json
{
"crons": [
{
"path": "/api/cron/deploy",
"schedule": "0 18 * * *"
}
]
}

ここで注意すべきは タイムゾーンが UTC(協定世界時)であること。 JST(日本標準時)で 毎日 3 時 に実行したい場合は、9 時間マイナスして 0 18 * * *なる。

ちなみに GitHub Actions でも Cron を設定することは可能。

デプロイを実行する API を作成する

あとは /api/cron/deployアクセスされたとき、Deploy Hook を叩く処理を書くだけ。

apps/web/src/app/api/cron/deploy/route.ts
import { env } from "#/env";
const createResponse = (message: string, status: number) =>
new Response(message, {
status,
headers: {
"Content-Type": "text/plain",
"X-Content-Type-Options": "nosniff",
},
});
export const GET = async (request: Request) => {
const webhookUrl = env.VERCEL_DEPLOY_HOOK_URL;
if (!webhookUrl) {
return createResponse("Deploy hook URL is missing", 500);
}
const authHeader = request.headers.get("authorization");
if (authHeader !== `Bearer ${env.CRON_SECRET}`) {
return createResponse("Unauthorized", 401);
}
try {
const response = await fetch(webhookUrl, { method: "POST" });
if (response.ok) {
return createResponse("Redeployment triggered", 200);
}
console.error(
`Failed to trigger redeployment: ${response.status} ${response.statusText}`,
);
return createResponse("Failed to trigger redeployment", 500);
} catch (error) {
console.error("Error communicating with deploy hook", error);
return createResponse("Error communicating with deploy hook", 500);
}
};

ここで重要なのは 21 行目である。 API リクエストの認証を行わなければ、誰でも無制限に API を叩けてしまう。

それは困るので、Cron 用の環境変数CRON_SECRET)を使い、正しい認証情報を持ったリクエストのみ許可するようにする。 具体的には、Authorization ヘッダを Bearer トークン の形で受け取り、それが環境変数 CRON_SECRET一致するかを確認する。

この仕組みにより、正しい CRON_SECRET持ったリクエストだけがデプロイを実行できるようになる。

実際に動くかテスト

実装に問題がない場合、以下のコマンドを叩けばデプロイ処理が走り出す。

Terminal window
curl -X GET "https://xxx.com/api/cron/deploy" \
-H "Authorization: Bearer xxx"

さいごに

何でも自動で動くのは最高。

最後までお読みいただき、ありがとうございます

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